NBAに対する私見



 アメリカが誇るNBAは、魅せるバスケットボールを究極に突き詰めたスポーツ団体だと思います。それは日本からのお客さんをNBAの試合(NYニックス対Miamiヒーツ)にお連れした時の会話でした。
お客:”おい、これはいかさまだ。打ち合わせどおりかのように、接戦になったじゃないか。さっきまでヒートが圧倒的に負けていたのに”
筆者:”いや、NBAの試合はほとんどがラスト3分で6点差ぐらいでしたらまったくどちらが勝ってもおかしく無い状態なんですよ”
お客:”じゃあ前半後半の60分間のほとんどが意味ないじゃないか〜”
 でもお客さんの顔は終始ニヤニヤしていました。お客さんは決して悪い気持ちじゃなかったことがわかります。なぜでは、苦言を呈するようなことを言ったかといえば、NBAの仕組んだドラマに‘はまった‘と気づいたからではないかと考えました。
 NBAではプレーの局面で様々なコールを観客用に用意しています。スタンピング、ブーイング、ウェービング・ハンズ、など。またハーフタイムショーや、天井から応援グッズがパラシュートに乗って落ちてくる、など。試合が負けていようが勝っていようが観衆が楽しめる’計らい”が充実しています。
 お客さんは試合の合間の‘計らい‘に楽しんだことに加え偶然試合が後半白熱したことで、出来過ぎた娯楽の印象を受けたのかもしれません。
 やがて試合はヒートの逆転シュートで幕を閉じた時の会話。
お客さん:”うぉぉぉぉぉ!!”
筆者:”むふ。接待成功。”
 お客さんの赤らんだ顔は純粋にNBAのバスケットに魅了されたものでした。